研修生ストーリー 井後光晴
将来は独立を目指し、
同じ志を持った仲間と一緒に
充実した毎日を過ごしています。
若葉農園との出会い
私は大学卒業後、大阪で営業の仕事をしていました。その当時の食生活は酷いものでした。その原因は毎月半分ほどは出張で家を空けることがあったため、自炊できない日が多かったことです。不規則な生活が続き、もっとシンプルに生活がしたいと思い、次第に「田舎暮らし」を考えるようになりました。私は元々兵庫の田舎出身で、自然の中に身を置くことが好きだったこともあり、将来は自然に囲まれた田舎に住もうと考え始めたのを覚えています。そんなとき、たまたまインターネットである方のブログを見つけました。私と同じように都会でのサラリーマン生活に疑問を持ち、仕事を辞め、農業研修を経て独立就農している方でした。ブログを読んでいくと、徳島県にある若葉農園というところで農業研修をしていたことがわかりました。農薬・肥料を使わずに野菜を作っていて研修を受けながら給料も出る。と書いてあり、学びながら給料待遇がしっかりとしていて「ここ良いやん!」と思い、その方と重なる部分も感じていた私は若葉農園に興味を持ちました。
その数日後に、大阪で「農業人フェア」があることを知りました。興味本位でふらっと行ったところ、たまたま若葉農園の社長の横田さんと当時の研修生の方が来られていて、とても驚いたのを覚えています。数日前に何となく農業をやりたいと思い始めて、若葉農園で研修をしていた方のブログをたまたま見つけ、ふらっと寄った農業人フェアで若葉農園の方をたまたま見つけ、これは何かの縁だとしか思えなかった私は一度若葉農園に見学に行った後、ここでお世話になることに決めました。
研修生活スタート
2016年4月。農業は全くの未経験、鎌を触ったこともない私の研修生活が始まりました。若葉農園の基本的な1日の動きは、朝みんなでその日のスケジュールを確認した後、まずは収穫から始まります。収穫が終われば収穫物は出荷作業を担当しているパートさんに預けて、研修生のみんなは除草や間引き、昼休憩(2~4時間)を挟んで午後からは午前の続きや植え付け、簡易ハウス(ベトコン)立て等、本当に毎日様々な作業を優先順位の高いものからどんどんやっていきます。毎日日が昇る頃から日が沈む頃まで畑作業をしているので、家に帰れば疲れ果ててすぐに寝てしまいます。でもそれは精神的にしんどくなるようなものではなく心地よい疲れです。食べるものも若葉農園で採れた野菜が中心になるので、健康的な生活ができていると感じられます。私は研修を受けるまでは野菜にこだわりはなく、農薬を使用しているものでも充分美味しいと感じていました。でも実際に若葉農園に来てここの野菜を食べてみると、明らかにスーパーで売っている野菜とは甘みが違います。特にホウレンソウの甘さには衝撃を受けました。余計な雑味がなく収穫しながらつい生でかじってしまうほど甘いです。若葉農園の野菜はスーパーで売っている野菜ほど綺麗に形や大きさが揃っているわけではありません。形は不揃いですが、一つ一つに個性があり生き生きしています。それが本来の野菜の形だと思います。
若葉農園のこと
若葉農園には研修生が10数名います。社員やパートすべてを合わすと20名以上います。畑は大小合わせて60枚、田んぼは20枚ほどあります。機械は数えきれないほどあり、トラクター数台に管理機や耕運機、ハンマーナイフといった機械から、人参洗い機や枝豆選別機など、まだまだ多くの機械があります。研修生も初めは操作の簡単な機械から使い方を教わり、慣れてくれば他にも色々な機械を実際に使うことができます。何でも揃っているので、それら一つ一つに触れられることは将来独立を目指すためにも貴重な経験だと思います。
若葉農園に研修に来た人は自然農法という言葉に惹かれ栽培技術を学ぶために来たと思います。私ももちろんそ
うでした。でも私が学んだことで本当に大切ことは他にありました。それは「日々の計画の大切さ」です。これはリーダーという係をやっているから強く感じていることかもしれません。優先しなければいけない作業は何か。それを見極め限られた時間に当てはめていく。農業は思っていたよりものんびりとはできません。独立すれば最初は1人だと思います。やらなければいけないことがたくさんあり、天候に左右されるのでやらなければいけないことができなくなることもあります。いつ何をすべきか、しっかりと計画を立てながら日々を進めて行くことが、独立してからは大切になり、その部分は強く意識するようになりました。
若葉農園には私と同じように農業未経験から農業を始めた研
修生が多くいます。10代後半から30代後半まで年齢はバラバ
ラですが、本当にアットホームな雰囲気でこんなに良い職場
はなかなかないと思います。将来は独立を目指している研修
生が大半で、同じ志を持った仲間と一緒に充実した毎日を過
ごすことができています。